セイジオザワ松本フェスティバル『エフゲニー・オネーギン』(8/20)

メトロポリタンオペラの映像ソフトとしても観る事が出来るこのロバート・カーセンの演出プロダクションは、全編をオネーギンの回想と位置づけ、シンプルなセットながらもこの恋愛心理劇の核心を見事に射抜いた本オペラ演出の決定版──と評して過言ではないと思う。この演出を……

八月南座超歌舞伎(8/17昼)

タイムテーブルを見ると「超歌舞伎のみかた」25分、幕間20分、「お国山三」15分、長幕30分、「今昔饗宴千本桜」70分と、演目が短いわりに幕間が長く、ちょっとセコイ考えなのだけど「これはコスパが悪いのでは?」と出掛けるのをためらう気持ちが少々あった。が、実……

八月歌舞伎座・第三部『新版雪之丞変化』(初日)

市川崑の映画版『雪之丞変化』はモダンな映像美が素晴らしかったが、主役の長谷川一夫が大石内蔵助の様に男っぽく立派すぎて、今ひとつ「雪之丞」というイメージではなかった。今回の玉三郎は「雪之丞」(そのタイトル・役名だけでえもいわれぬ美しさを想像させる美麗な女形)……

第五回 晴の会『肥後駒下駄』(8/4 夜)

あべのハルカス下近鉄百貨店、近鉄アート館。三面囲みフォーメーションの出舞台と定式幕が開閉される背後の本舞台、大道具小道具は必要最小限。言葉にすると、それは小劇場的、実験的試みに拠って立つ、近年盛んな「演劇的歌舞伎」の一種の様に聞こえるかもしれないが全くそう……

天気の子

初めて観た新海作品『君の名は。』が全くダメで、「評判の新海誠ってこんな人なの?」と、確認のために遡って観てみた過去作品がことごとく合わず、今回の『天気の子』がまたダメだったらこの人の映画を観るのはこれで最後にしよう──と思って映画館に出掛けた(だったら観な……