セイジオザワ松本フェスティバル『エフゲニー・オネーギン』(8/20)

メトロポリタンオペラの映像ソフトとしても観る事が出来るこのロバート・カーセンの演出プロダクションは、全編をオネーギンの回想と位置づけ、シンプルなセットながらもこの恋愛心理劇の核心を見事に射抜いた本オペラ演出の決定版──と評して過言ではないと思う。この演出を……

『紫苑物語』西村朗

新国立劇場(2/24) 【見事なまでの駄作と評さざるを得ない。しかし、観た事自体に後悔はない】 この『紫苑物語』は三本の矢「知(歌)・殺(暴力)・魔(虚無あるいは永遠)」という主題が現代オペラに馴染むという直感をもって発注されたのではないかと推察するが(そ……

『金閣寺』黛敏郎

東京二期会公演・東京文化会館(2/22) 【時代区分としての「現代オペラ」の完成形。しかし、完成形であるがゆえに、常に最前衛である事を求められる「現代オペラ」的ではない──という不幸な自己矛盾】 初めて聴く曲。 三島由紀夫の原作が一人の男の徹底的な内面の物……