四月歌舞伎座・夜の部(4/21)

『実盛物語』 小万の腕を落とす顛末の「物語」、瀬尾の自害の後の顛末だけが能動的な見せ所で、あとはほとんど聴き役という実盛。しかし、その黙って聴いている間も仁左衛門の実盛は非常に精神が安定していて、信用できるひととなりが(平家からすればどうかという点はさて置……

ねじれた家

【市川崑の金田一耕助映画の様に陰影深くてスタイリッシュ。70年代のクリスティー映画ほど豪華絢爛な「ザ・オールスター」感はないが、実力的にはそれに匹敵する演技力と存在感のある名優たちが揃っている。そして、屋敷の内装、登場人物と一緒に映り込む絵画・肖像写真で人……

幸福なラザロ

【詩情豊かで美しく、ほろ苦く、人生への示唆に富んだ「イタリア映画」……その豊穣の歴史の高純度の結実。ロッセリーニ的でもあり、ヴィスコンティ的でもあり、フェリーニ的でもある。しかし、かといってそのどれでもない。イタリア映画の歴史とヨーロッパの神話、そして世界……