運び屋

【役者と監督、Wの意味で「嘘(フィクション)作り」の大名人、クリント・イーストウッド。もしかするとこの映画、そんな彼自身の人生の総決算、主人公が情熱を傾けた儚い花デイリリー──最高に美しく、最高に感動的な最後の一咲き……となるのかもしれない】 「もう自分が……

天国でまた会おう

【『その女アレックス』で各種翻訳ミステリー小説ランキングを制覇したピエール・ルメートル。 しかし、ルメートルの本を「普通のミステリー小説」と思って読んで、吃驚した人は結構多いのではないでしょうか? 思うに、この人は「ミステリー」というジャンルを手段として使……

サムライマラソン

【流行りのコメディー時代劇でもない。海外制作の「なんちゃって時代劇」でもない。さりとて、シリアスなザ・時代劇でもない……。この映画を観た人は、きっと思う事でしょう「時代劇とは何ぞや?」──と】 まずこの映画、ある点において映画史的傑作の境地に達しています。……

サスペリア

【原典ファンのお仲間からは否定的な意見が少なからず聞こえてきますが、では、そんな皆さんは一体どんなリメイクだったら満足したんでしょうね?(いや、喧嘩を売るつもりではないんです。本当にそう思うんです)……モノマネに堕さず、リスペクトにとどまらず、ここまで新し……

女王陛下のお気に入り

【「おしゃれなコスチューム・プレイ」を期待すると危険。アクの強い監督の美学を楽しむ映画】 まずこの映画、『女王陛下のお気に入り』という邦題(原題・THE FAVORITE)、ピンクがカラー基調のポスターの印象から、「綺麗でお洒落、でも、ちょっぴりビターな女……